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Howard Jones「City Song」

 Howard Jones(ハワード・ジョーンズ)というイギリスのアーティストの存在を知ったのは、日本のロックシンガー尾崎豊がコンサートツアーのオープニングにHoward Jonesの「No one is to blame」を使っていたことがきっかけです。私が尾崎豊のファンなったきっかけは以下の記事で述べました。

 

issing.hatenablog.jp

 

 尾崎豊が活動休止をしてニューヨークに滞在していた頃、毎晩24時になるとラジオから「No one is to blame」が流れてきたと言います。

 

 Howard Jonesのデビューは尾崎豊と同じ時期である1983年です。シングル曲「New Song」や「What is Love?」がいきなりイギリスのチャート上位に食い込み、ファーストアルバム「Human's Lib」も大ヒットしました。当時最先端のシンセサイザーを駆使しながら、決して尖らずポップで親しみやすいサウンドを作り出しました。当時、アイドル的な象徴として日本でも一時人気を博しました。

 

 そんな尾崎豊にも影響を与えたと言われるHoward Jonesの音楽をアルバムを通して聴きたい、そう思った私はさっそくCDショップに足を運びました。

 

 現在ではあまりメジャーではないためか、CDショップやレンタルCDショップを探してもありませんでした。そこで地元の図書館で探そうとしました。その結果『In The Running』という1992年に発売されたHoward Jones自身5枚目のオリジナルアルバムがあった。このアルバムには「No one is to blame」の入っていなかったので少し残念に思いましたが、一応借りることにしました。

 

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 アルバム全体としては、着飾らないシンプルなサウンドが強いと思いました。Howard Jonesの強みとしてきたテクノポップ路線から一線を画した、ギターやピアノという生の音を用いたこれまでにないHoward Jonesが表現されています。

 

 良い意味で地味と言っても良いと思います。しかし、私にとってはどの曲もピンとこきませんでした。このアルバムはもうそんなに聴くことはないかな、と思って最後のトラックを流した瞬間、これは何か自然現象が起こる前触れかと思わせる、フェードインを用いたサウンドが私をこの曲の世界に誘いました。

 

     

 

 夕闇に照らされた都会の建物のイメージがします。大人っぽさが前面に出ているというか、何か経験をして長い期間熟成されて完成されたような作品に思いました。

 

 言葉以上に歌い方やメロディから都会で何気なく感じる孤独感が伝わってきます。

 

「Where do all the lonely people go」

 

 寂しさから見た都会、そしてそれを象徴するかのようなサビが印象的で、歌い方も伸びやかで優しさに近い叫びを感じさせます。

 

 洗練されたメロディ、一つ一つの音に奥行きを感じ、より深みのある幻想的な世界観を作り出しています。音に無駄を感じることなどなく、それでいて派手さもなく、それでも伝えたいことをストレートに表現しています。

 

 この曲を聴いた後、再度アルバム全体を聴いてみました。そうするとこのアルバムの理解度がさらに増すことが実感できました。おそらく、このアルバムは何度も聴くことによって、そして自分の成長と共に良さを感じるものではないかと思います。

 

 この曲は、ポップなイメージとは裏腹に、大人になった時、何か自分のアイデンティティなるものが成熟した時にふと聴きたくなる、そんな洗練されたバラードではないかと思います。