たとえば

心の赴くままに描くエッセイブログ。

スマホ時代にDAPを購入 〜自ら音楽を聴くという姿勢〜

 スマートフォンで音楽の聴ける時代に、わざわざiPodウォークマンなどのデジタルオーディオプレーヤー(以下、DAPと略す)は必要なのか。僕はこの結論を出すまでに相当時間が掛かった。

 

 DAPを初めて購入したのは、小学5年生の頃。今から14年前だ。友達はみんなiPod nanoを所持している中、僕は中国製の安いDAPを所持していた。容量は1GBで、MP3の128kbpsの音楽データであれば、240曲入る計算だ。

 

 僕のDAPの購入遍歴は以下の記事を閲覧していただきたい。

 

issing.hatenablog.jp

 

 初めてDAPを購入した時、音楽を持ち歩けることに嬉しさを感じていた。当時は任天堂のゲームが好きで、ゲーム雑誌なんかの付録でゲームのサウンドトラックCDが付いてくるので、それをDAPに入れて聴いていた。見慣れた道や町を音楽を聴きながら歩くと何だか違う風景に見える気がした。

 

 大学生になると、音質という観点からオーディオにハマっていくようになる。MP3の圧縮音源よりも、データ量が圧縮されていないWAV音源、つまりはCDそのものの音質で聴くようになった。しかし、データ量が大きいため、大容量のDAPが必要になってくる。そこで2013年に、iPod Classicを購入した。容量が160GBで、WAV音源を大量に入れられる。実は、かの有名な音楽家であり、超スーパーウルトラオーディオマニアの山下達郎DAPの中で音質が一番良いと絶賛しているほど愛用しているとのこと。ま、彼の場合、iPodのDock端子から独自にカスタマイズしたポータブルアンプに繋いで聴いているのだという。僕も音質向上のためにポータブルアンプを購入したが、携帯性がなくなるとのことからポータブルアンプを使うのを止めた。

 

 社会人になり、スマートフォンiPhoneからXperiaに機種変更した。大容量のmicro SDカードが使えることもあり、200GBのmicro SDカードを購入して大量の音楽をスマートフォンで持ち歩いた。僕は首都圏で満員電車に揺られながら通勤していたため、ワイヤレスイヤホンなるものを購入し、スマートに音楽を聴くようになった。

 

 ワイヤレスイヤホンはとても便利だった。満員電車でケーブルが絡まることがないから、ケーブルに縛られずにプレイヤーを操作できることはとても便利だった。しかし、首都圏となると電波干渉によりよく音が途切れるし、せっかくの無圧縮で入れている音源本来の音質で聴けないため、僕は何度か有線イヤホンに戻すことがあった。その際、僕はDAP代わりにサブスマホを購入し、無線と有線どちらでも対応できるようにした。サブスマホを持つことによって、メインスマホのバッテリーがなくなった時のための予備としての役割を担うなど、様々な利便性があった。その時のことは以下の記事を閲覧していただきたい。

 

issing.hatenablog.jp

 

 しかし、どこか納得がいかなかった。スマートに音楽を聴くという姿勢が、音楽鑑賞本来の在り方とどうなんだろうか、と。

 

 僕は、改めて“音楽を聴く”ということを考えた。それは、音楽を聴くことによって自分の中で小宇宙空間ができるように、自分の世界に浸れること。つまりは音楽に没頭していることなのだろう。

 

 僕が初めてDAPを手に入れた時、音楽に没頭して、何度も何度も同じ曲を聴いては感動していた。

 

 なぜスマホは音楽に没頭できないのだろう。それは、スマホは電話機であることだ。電話やメール、アプリの通知の他に、ゲームもできる。様々なことができることによって、音楽に没頭することが妨げられるのである。

 

 もしかしたらスマホがない時代に比べたら、現代人は案外音楽を聴いていないのかもしれない。

 

 スマホの音質が悪いと言われるのは、現代のDAPがオーディオ機器として進化しているからこそ言えることだ。スマホの音質は、一昔のDAPと似ている。現代のDAPは技術が発達し、部品もオーディオ機器専用のものを使っている。そのため、音楽に没頭しなくなった理由は、音質の良い悪いではなく、“音楽を聴く”というスタイルの変化によって、音楽との距離が遠くなってしまっていたためである。

 

 レコードが主だった頃、まずレコード店で購入し、家に帰ってプレーヤーにレコードをセットして、針を落とさなければ音楽が聴けなかった。不便ではあったが、手間を掛けて音楽を聴くことによって、“自ら音楽に聴きにいくという姿勢”になった。

 

 今は、定額ストリーミング配信とBluetooth技術で、いつでもどこでもコードレスで好きな曲をすぐに聴ける、良い時代になった。音楽がすぐ近くにあるのだ。しかし、それによって“自ら音楽を聴きにいく”という姿勢がなくなった。

 

 さて、僕はこの度再び“自ら音楽を聴く”ため、DAPを購入した。スマホのサブ機をDAPの代わりにしていたが、音楽試聴以外の用途でも使用していたため、やはりDAPとして製造されたもの、音楽しか聴けないものをわざわざ購入した。

 

 普段、曲ごとに選択して聴いていたのだが、アルバム単位で聴くようになり、また普段聴いていない曲も積極的に“自ら聴く”ようになった。

 

 おかげで、2時間もの長い通勤が楽しくなった。長い通勤の中で音楽に没頭しているからである。もちろん、現代のDAPの音質はよくなり、さらに音楽に没頭できるように作られている。

 

 最近音楽を聴いていても何も感じなくなったという人は、もしかしたら“自ら音楽聴く姿勢”を見直すと変わるかもしれない。

 

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Fiio M7

 

 ちなみに、今回購入したのは、FiioというメーカーのM7である。